食品包装と印刷インキ

NL規制と食品衛生

 インキが食品包装材料に使用される場合、包装される食品の安全性や衛生性を保つために、インキメーカーの立場から業界の自主規制としてNL規制を作成、実施してきました。NL規制に基づいたインキであっても、インキが直接食品に触れる用途では、インキが剥落したり移行したりして食品を汚染することがあります。
 そこで当工業会は容器包装の外側へ印刷したり、インキをフィルムでサンドイッチする構成等にして、印刷インキが直接食品に接触しないような容器包装にすることをお願いしています。

食品衛生法一部改正(2020年施行) と 印刷インキ

 印刷インキは樹脂皮膜として食品衛生法一部改正の対象となりましたが、食品容器包装においては食品と直接接触しない位置に構成されるため、一定量を超えて食品に移行しないよう管理されている場合は、法第18条第3項ただし書きの適用となります。食品容器包装用におけるすべての構成、印刷インキ、内容物、加工条件の組み合わせによる評価は不可能ですが、代表的な標準構成、内容物、加工条件にて印刷インキ工業会で評価を行った結果、一定量を超えて食品に移行しないことを確認しました。
 したがって、一定の条件を満たす印刷インキは、個別の化学物質がポジティブリストに収載されていない場合であっても、食品容器包装に使用することができると考えられます。

■食品衛生法一部改正と印刷インキ